働く方のキャリアアップを支援するために厚生労働省が実施している「教育訓練給付制度」をご存じでしょうか?
本記事では、知っておいて損はない「教育訓練給付金」の活用術をご紹介します。
教育訓練給付制度とは
教育訓練給付制度とは、働く人(=雇用保険の被保険者)が、TACやユーキャンなどの講座を自己負担で受講した際、受講料などの一部が支給されるものです。
教育訓練給付制度とは、働く方々の主体的な能力開発やキャリア形成を支援し、雇用の安定と就職の促進を図ることを目的として、厚生労働大臣が指定する教育訓練を終了した際に、受講費用の一部が支給されるものです。
厚生労働省_教育訓練給付制度
独学での試験対策に不安がある方や、効率よく勉強がしたいけれど受講料がネック…という方は少なくないでしょう。
そんな時「教育訓練給付制度」を活用すると、なんとTACへ支払う受講料の一部が戻ってきます。
受講に係る費用負担がネックになっていた方にとっては朗報ですね。
さて、実際にどのくらいお金が戻ってくるのでしょうか?
この教育訓練給付制度はそのレベル等に応じて3種類あり、それぞれ給付率が異なります。
種別 | 支給額 | 対象講座 |
一般教育訓練 | 費用の20% (上限10万円) | FP、簿記、 英会話、自動車免許など |
特定一般教育訓練 | 費用の40% (上限20万円) | 社会保険労務士、宅地建物取引士、 社会福祉士、行政書士など |
専門実践教育訓練 | 費用の最大70% (年間上限56万円) を最大3年間給 | 看護師、介護福祉士、 保育士、建築士など |
証券アナリスト試験は対象?
証券アナリスト資格は「一般教育訓練」に該当し、手続きを行えば最大10万円が手元に返ってきます。
なお、教育訓練給付の対象として厚生労働大臣の指定を受けている講座は、教育訓練講座検索システムで検索することができます。
筆者が調べた2022年2月18日時点の情報では、TACが開講している下記の2講座が該当しました。
・「証券アナリスト1次試験対策速修本科生(DVD・Web)通信」
・「証券アナリスト2次試験対策速修本科生(DVD・Web)通信」
お申込前に、必ず最新の情報をお調べいただき、指定講座かどうかをご自分で再度確認してください。
対象者
教育訓練給付を受けるには、雇用保険の加入期間などの条件があります。
◆ 初めて給付制度を利用する人
受講開始日の時点で、雇用保険の被保険者であった期間が通算1年以上である。
◆ 過去に給付を受けたことがある人
前回の利用から、受講開始日に雇用保険の被保険者であった期間が、通算3年以上の場合、利用できます。
ただし、前回の受給時期によっては、受給から一定期間の経過が必要となる場合があります。
支給要件の照会
教育訓練給付金の支給申請前に、教育訓練給付金の受給資格があるかどうかをハローワークで照会(=支給要件照会)することができます。
支給要件照会は、ハローワークやTAC等の教育訓練施設で配布する「教育訓練給付金支給要件照会票」に必要事項を記入し、運転免許証や住民票の写しなどの本人確認書類とともに、ハローワークに提出して行います(郵送での手続きも可)。
あらかじめご自身が支給要件を満たしているかをハローワークに確認してから受講申し込みすることをオススメします。
支給額について
教育訓練施設に支払った「教育訓練経費」の20%(最大10万円)が支払われます。
ただし、支給額が4,000円を超えない場合は支給されませんので、支給対象となる教育訓練経費の金額は20,001円からとなります。
<教育訓練経費の考え方>
・勤務先から補助がある場合にはその金額を差引いた額が支給の対象となる教育訓練経費
・クレジットカード、銀行口座からの振込みによる支払いは、本人名義の場合のみ教育訓練経費の対象
・キャンペーン・特典等で図書カード、QUOカード等の進呈や返金等があった場合には受け取ったそれらの金額分は教育訓練経費から差引かれる
・「指定講座(対象コース)」に付帯してお申込のオプション講座の受講料は教育訓練経費の対象外
詳細はTACのホームページにてご確認ください。
修了要件について
厚生労働大臣指定講座を修了するには一定の要件があります。
詳細はTACのホームページにてご確認ください。
教育訓練給付を受ける方法(給付手続き)
大まかな流れは以下の通りです。
「一般教育訓練給付制度申請申込書」を提出
指定口座を受講
TACから給付金申請関係書類を受領
自身でハローワークへ申請
申請期限は、原則として修了日の翌日から1ヶ月以内となっていますのでご注意ください。
転職に向けた資格取得も
筆者も本制度を利用したことがありますが、自身への勤め先に提出する書類や手続きなどは何もありません。
そのため、会社に内緒で転職等に向けたスキルアップのための勉強をすることも可能です。
まとめ
今回は「教育訓練給付制度」の概要をご紹介しました。
お金が戻ってくるお得な制度を活用して、TACの通信教育を受講することを検討されてはいかがでしょうか。
証券アナリスト試験受験時のTACの通信教育活用方法等についての詳細はこちらをお読みください。
給付条件や手続きの詳しい内容は、お住まいを管轄するハローワークにお問い合わせください。
また、職務を遂行する上で必要な資格取得費用(資格取得費)を経費として所得から控除できる「特定支出控除」については次回の記事でご紹介します。